陶芸作家 渡部秋彦「雷神窯」 渡部秋彦 昭和34年山形市平清水 生 |
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山形駅より車で10分程の蔵王山 麓、千歳山の山際に雷神窯はあ ります。 付近は平清水とよばれる東北の有 名な窯場の一つです。 かつては 数十軒の窯元があったそうですが、 いまは数軒の窯元が点在するだけ で、駅に近いせいか一見郊外の住 宅地といった雰囲気です。氏は現在 青瓷、白瓷にとりくんでおり、その苦 労話を聞きがてら、今回は窯だしを 見せてもらえるというので、平清水の 工房をおたずねしました。 |
青瓷 瓶子 |
その時、作家の緊張と不安が、私た |
窯だし前の穴窯の内部 取り出した青瓷を一つ一つ点検しながら並べる作家。 丸二日間の徹夜に近い窯焚きは、 熱さと、寝不足で かなりの体力 を消耗するそうです。 そんな疲労も、 みごとに焼きあがった 作品の数々をみれば、忘れてしまいます。 |
窯の中は、まだまだ百度前後の温度で、 |
窯の中から青瓷を取り出す。 窯焚きの2日間で、使う薪、 赤松は、かなりの量です。 窯の温度を最高にするときは、 油分の多い薪が使われます。 薪は、そうした種類別にキチン と区分けされて、窯の周りに 積まれています。 |
青瓷(青磁) 青に発色する釉薬がかけられ、1200度以上の高温で焼かれる陶磁器をいいます。 |
窯変青瓷 花器 渡部秋彦 H22作 |
貫入 素地と釉薬の収縮率の違いにより起こる釉のひびのことをいう。 陶器によくおきるが、磁器では比較的少ない。 サヤ(ボシ、エンゴロ) 窯のなかで作品が灰をかぶり汚れないように使われる窯詰道具である容器。窯の中を効率よく使う為の道具でもある。 穴窯(あながま) 最も原始的な形の窯です。斜面を掘って天井をつけた形式です。古墳時代(4〜5世紀頃)に朝鮮から渡来してきた技術者により伝えられたものです。 当時は粘土を固めて天井などをつくったのでしょうが、今は雷神窯の穴窯のように耐火レンガが使われることが一般的です。 形が原始的ゆえに扱いもたいへんむずかしく、季節、その日の気温、湿度、薪の状態などいろいろなファクターにより出来あがりが左右されるそうです。それだけに、作家の期待を超えたものが出来あがることもあり、窯出しの時は作家の期待と不安の一瞬なのでしょう。 |
平成29年度作品展出品作 窯変米色瓷抹茶碗 粉青瓷茶碗 窯変米色瓷酒会壺 窯変米色瓷角皿 白磁碗 織部向付 織部豆皿 展示会場 青磁の他、白磁・粉引き・天目・三島・焼〆 など多才な技術を使い食器 カップ&ソーサー、湯呑 皿、鉢、ぐい呑み、蓋付碗など普段使いの器も出品。 作家 作品は、アトリエ トム にて 常設展示されています。 トップへ戻る |