丹後の藤布(ふじふ)
   

うす紫の藤の花、その蔓から産まれる藤布は
かつて命を守る大切な衣装であった。
しんしんと雪が降りつづける寒の丹後。
機織四代、先代は「機織を楽しめよ」と言い伝えた。
ゆるやかに時が流れ、今に蘇る。

木の布工房 遊絲舎は、力強く美しい糸が織りなす
藤布の魅力を呼び戻し、
古代から伝わる技を生かし、手織りで布を織る。
織る喜び、着る人の喜び、
それは心地よい機の音から生まれる一枚の藤布。

藤布ができるまで

日本の原始布のなかでも、最も手間がかかる言われる
藤布の製作工程をご紹介します。

1、 藤伐り
フジギリ
(採集)
野山に自生する藤の真っ直ぐに伸びた蔓を4月から6月頃までに採集する。
2、 藤剥ぎ
フジヘギ
採集した藤蔓が乾燥しないうちに大槌で叩き皮を剥ぐ、次に、表皮を糸にする中皮(アラソ)を剥ぎ、乾燥させる。
3、 灰まぶし 中皮(アラソ)を灰にまぶします。
4、 灰汁炊き
アクタキ

硬いアラソを水に浸して柔らかくし、木灰を用いて大鍋で四時間ほど煮る。
5、 藤こき 炊き上がったアラソを近くの川に運び、コウバシで洗い流し、不純物などをコキ流し、繊維を現す。
6、 熨斗入れ
ノシイレ
藤の繊維わ米ヌカに入れた湯の中浸し柔軟性と滑りを良くする。その後、軽く絞り竹竿などに掛けて乾燥させる。
7、 藤績み
フジウミ
繊維を細かく裂き、結び目を作らないように績みつないで長い一本の糸にする。
8、 撚り掛け
ネリカケ
うんだ糸は、湯に浸して柔らかくし、糸車で撚り(右撚り)をかけて更に強い糸にする。
9、 枠取り
ワクトリ
小さく錘に巻かれた練り糸を機にかける為、大きな木枠に巻き取っていく
10、 機織り
ハタオリ
縦糸の毛羽立ちを防ぐ為に糊をシャミボウキで塗り、乾かしながら織り進む。